2015年4月27日月曜日
Mommy/マミー Mommy
今にも崩れそうなギリギリの緊張感で、母への愛を掘り下げる
「トム・アット・ザ・ファーム」に続く監督5作目で、カンヌ国際映画祭で審査員特別賞を受賞した本作。この時はジャン=リュック・ゴダール監督の「さらば、愛の言葉よ」とのダブル受賞。
若干26歳と83歳の超ベテランという面白い組み合わせでのW受賞。
グザヴィエ・ドランは、常にマイノリティの弱者の目線で描かれることが多い、いつもギリギリの一歩間違えれば落っこちてしまいそうな緊張感の中でマイノリティたちはもがき苦しみ、救いを求めている。
シングルマザーのダイアンは、トラブルメイカーで施設帰りの愛息子スティー ヴと暮らすものの、普段は無邪気だがキレると何をしでかすか分からない息子に戸惑っていた。
ある日向かいに住む引きこもりの主婦カイラと親しくなり、元教師の彼女の教えでスティーヴも徐々に打ち解けていくのだが。
主演のスティーヴ役のアントワン=オリヴィエ・ピロン。ホントにこんなやついそうというスティーヴを見事に体現。マコーレ・カルキンが高校生になったかのようなビジュアルが印象的。
カイラ役もどこかで見たような、、、と思っていた「わたしはロランス」のスザンヌ・クレマンだった。
みんなドラン組。
ドランの映画はいつも緊張感に満ちている。
ちょっとしたことで崩れ去ってしまいそうなギリギリの綱渡りをしているような緊張感。
母と息子、そこに近所の引きこもり主婦のカイラが加わることで微妙な三角関係が出来上がり、安定するのではなく、逆にどこから崩れるのか分からないようになる。
そんなサスペンス要素もドランの特徴。
音楽も魅力のひとつ。
その中で、オアシスのワンダーウォールがこんなにハマるとは思わなかった。
そして、画面サイズ。
途中で気づいたけど、あっ、縦長?
普通は横長の映画の画面がサイズが、iphoneで撮ったかのように若干の縦長サイズ。
あとで調べたらアスペクト比は、1:1とのこと。(つまり正方形)
最前列で観てたから縦長に見えたのかも。
それにしてもこのサイズで撮るのは珍しい。
いろいろチャレンジしてるな、グザヴィエ・ドラン!
恵比寿ガーデンシネマが復活してから初の鑑賞。
最初がこの作品で良かった。
満席だったのも良かったし、やっぱりいい劇場だ。
パンフレットが高い! 1000円とは。
<作品概要>
「Mommy/マミー」 MOMMY
(2014年 カナダ 138分)
監督・脚本:グザヴィエ・ドラン
出演:アンヌ・ドルヴァル、スザンヌ・クレマン、アントワン=オリヴィエ・ピロン
配給:ピクチャーズデプト
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