2015年6月30日火曜日
アリスのままで STILL ALICE
アカデミー賞も納得の名演。
若年性アルツハイマーという、今までになかなか無かった役どころを見事に演じきってみせたジュリアン・ムーアの名演が最大の見どころ。
監督のリチャード・グラッツァーは、自らもALS(筋萎縮性側索硬化症)を患っており、公私ともにパートナーでもあり共同監督でもあるウォッシュ・ウエストモアランドとともに、この脚本を見たときにこれは自分たちが映画化すべき作品だと直感したのだとか。
言語学者のアリスは、講義中に言葉が出てこなくなったり、ジョギング中に帰り道が分からなくなったりが続き、やがて若年性アルツハイマーと診断される。家族の想いも虚しく徐々にアリスの病状は進行していく。そしてある日PCに自分宛の自分からのメッセージを発見する。
観ないと分からないけど、ジュリアン・ムーアの見事な演技で若年性アルツハイマーの進行具合や、他人事でないこの病気の大変さがひしひしと伝わってくる。
特に、PCの自分宛のメッセージ動画をみる件では、徐々に進行していた症状とのコントラストが鮮やかに演出されていて、最大の見せ場。
そして、現実でも監督のグラッツァーの病状は進み、ギリギリのところで監督をしていた。ウエストモアランドに「リチャードは、アカデミー賞を見るために生きてるよ」と言わしめるほど弱り切っていた。
そして、アカデミー賞当日、ジュリアンは見事に主演女優賞を勝ち取った。
その数日後。結果を見守ったグラッツァーは息を引き取った。
こんなドラマな展開があるだろうか。
そういうところもひっくるめて見るべき映画。
<作品概要>
「アリスのままで」 STILL ALICE
(2014年 アメリカ 101分)
監督:リチャード・グラッツァー、ウォッシュ・ウエストモアランド
出演:ジュリアン・ムーア、アレック・ボールドウィン、クリスチャン・スチュワード、ケイト・ボスワース
配給:キノフィルムズ
2015年6月24日水曜日
マッドマックス 怒りのデス・ロード MADMAX:FURY ROAD
いま復活のマッドマックス
マッドマックス大好きな男子は多い。
ワイルド過ぎる世界観で己の腕っ節ひとつで暴力が支配する荒野を駆け抜ける。
メル・ギブソンが一躍有名になったオーストラリア発のアクション映画だけど、第1作が製作されたのは、1979年。第3作が1985年だから30年ぶりの新作。ということで今時の若い男子は当然知らないシリーズ。
その世界観は北斗の拳によく似ているけど、「マッドマックス2」に影響されて連載が始まったのが北斗の拳だった。
観れば一目瞭然のパクリ具合(笑)
3以降も基本的にその世界観を踏襲している。
荒廃した近未来、砂漠を支配する凶悪なイモータン・ジョーに捕らえられたマックスは、ジョーに反旗を翻した女戦士フュリオサと行動を共しに、自由を求めてジョーの強大な軍団と対峙する。
荒廃した砂漠の世界に、パンクに武装したキャラクターたちがよく映える。
このオリジナリティが卓越した世界観はとてもユニーク。
街宣車の先頭にぶら下げられたギタリストとか、白塗りのウォー・ボーイズ、ヤマアラシ族やイワオニ族といった敵対集団のデザインもいい。
そして、シャーリーズ・セロンは坊主で片手が無くてもキレイ。
トム・ハーディもハマり役、あの声は低すぎではとは思うけど、こういうハードボイルドな役はホントによく似合う。
それにしても、この世界観をCGの無い時代によく表現していたなぁと思う。
<作品概要>
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 MADMAX:FURY ROAD
(2015年 アメリカ 120分)
監督:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト
配給:ワーナー・ブラザース映画
マッドマックス大好きな男子は多い。
ワイルド過ぎる世界観で己の腕っ節ひとつで暴力が支配する荒野を駆け抜ける。
メル・ギブソンが一躍有名になったオーストラリア発のアクション映画だけど、第1作が製作されたのは、1979年。第3作が1985年だから30年ぶりの新作。ということで今時の若い男子は当然知らないシリーズ。
その世界観は北斗の拳によく似ているけど、「マッドマックス2」に影響されて連載が始まったのが北斗の拳だった。
観れば一目瞭然のパクリ具合(笑)
3以降も基本的にその世界観を踏襲している。
荒廃した近未来、砂漠を支配する凶悪なイモータン・ジョーに捕らえられたマックスは、ジョーに反旗を翻した女戦士フュリオサと行動を共しに、自由を求めてジョーの強大な軍団と対峙する。
荒廃した砂漠の世界に、パンクに武装したキャラクターたちがよく映える。
このオリジナリティが卓越した世界観はとてもユニーク。
街宣車の先頭にぶら下げられたギタリストとか、白塗りのウォー・ボーイズ、ヤマアラシ族やイワオニ族といった敵対集団のデザインもいい。
そして、シャーリーズ・セロンは坊主で片手が無くてもキレイ。
トム・ハーディもハマり役、あの声は低すぎではとは思うけど、こういうハードボイルドな役はホントによく似合う。
それにしても、この世界観をCGの無い時代によく表現していたなぁと思う。
<作品概要>
「マッドマックス 怒りのデス・ロード」 MADMAX:FURY ROAD
(2015年 アメリカ 120分)
監督:ジョージ・ミラー
出演:トム・ハーディ、シャーリーズ・セロン、ニコラス・ホルト
配給:ワーナー・ブラザース映画
2015年6月18日木曜日
海街diary
晴れた日に鎌倉を散策したくなる
原作はマンガ大賞もとった同名タイトルのマンガ。
このマンガは主人公の4姉妹の日常を描いていてその空気感が特徴なんだけど、それがよく出ていたと思う。
是枝監督は前作に続いての原作モノ。
この監督は本当にいい映画を作る。
キャストも豪華
綾瀬はるか、天然キャラとは真逆のしっかりものの長女役。ちょっとやつれた感じがあって好演していた。
自由奔放な次女、長澤まさみはセクシーな魅力を撮ろうという意図が見え見えのサービスショットがいくつかあり(笑)
四女のすずは一番原作のイメージに近いかも。
それにしても樹木希林のおばさん役はもう名人芸。
色彩はパステル調で、ポラロイド写真のような懐かしい、温かみのある感じで作品の雰囲気を演出している。
鎌倉の江ノ電の見たことある風景がそこかしこに。
晴れた日に鎌倉を散策したくなるような、そんないい映画。
<作品概要>
「海街diary」
(2015年 日本 126分)
監督:是枝裕和
出演:綾瀬はるか、長澤まさみ、夏帆、広瀬すず、加瀬亮、鈴木亮平、池田貴史、坂口健太郎、前田旺志郎、キムラ緑子、樹木希林、リリー・フランキー、風吹ジュン、堤真一、大竹しのぶ
原作:吉田秋生
配給:東宝、GAGA
2015年6月11日木曜日
[CM] iPhone4 FaceTime
サム・メンデスが贈る心暖まる映像
わりとシリアスな作風のイメージがあるサム・メンデス監督が過去に手がけた Appleの iPhone4 FaceTimeのCM。
「アメリカン・ビューティ」、「ロード・トゥ・パーティション」、「007 スカイフォール」などの監督で知られるサム・メンデスがこんなやさしい映像を撮るとは。
音楽は、ルイ・アームストロングの「When You're Smiling」。
王道すぎる組み合わせだけどやっぱりいい。
サム・メンデスは、新作「007 スペンサー」が待機中。
<作品概要>
「iPhone4 FaceTime」
監督:サム・メンデス
製作:アップル
2015年6月3日水曜日
ビリギャル
「可能性」を引き出すヒントが見える
学年ビリのギャルが慶応大学に現役合格したというサクセスストーリーの実話を映画化。
有村架純を主演に迎え、20億円越えの大ヒット。
純愛ドラマの「ストロボ・エッジ」公開直後に全く違うギャル役で意外にもそんなに違和感なくこなしてしまった。
偏差値30で学力は小学校4年生レベルの工藤さやかは、母親が持ってきた塾の講師・坪田先生にほだされて慶応大学の受験を目指すことになる。
ビリギャルさやかと坪田先生の笑いと涙の珍道中が始まる。
1日に15時間の勉強を1年以上し続けたという本人のがんばりがもちろんすごいんだけど、その本人をやる気にさせる坪田先生の心理学を駆使したテクニックもすごい。そして母親の深い愛情。父親への強い反発心など、尋常じゃない行動させるだけの周囲の環境がちゃんとある。
東大じゃなくて慶応にしたのは、嵐の櫻井くんがいてイケメンな感じがするから。
目標はひとりでも多くのひとに公言した方がいい。
とにかく諦めないこと。
など「可能性」を引き出すヒントも満載。
主題歌は、サンボマスターの「可能性」
<作品概要>
「ビリギャル」
(2015年 日本 117分)
監督:土井裕泰
原作:坪田信貴
音楽:サンボマスター
出演:有村架純、伊藤淳史、野村周平、吉田羊、田中哲司
配給:東宝
2015年6月2日火曜日
ディオールと私 Dior and I
ラフ・シモンズの素顔、メゾンの内側、コレクションの裏側
ひとつのコレクションができるまで。
たった1日のイベントを成功させるため、そこにはあらゆる人と才能が集まって、それでもギリギリまで、ホントにギリギリまで考え抜いて、もちろんトラブルも大発生で、生のドラマだから面白くて、いろいろあったから最後のコレクション当日は感動してしまう。
老舗高級ブランド、クリスチャン・ディオールの新しいデザイナーに就任したのはオートクチュール未経験のラフ・シモンズ。しかも、通常は半年はかかるという次のコレクションまでの準備期間は、なんとわずか8週間! メゾンの内側に入り込んだドキュメンタリー。
映画「イヴ・サンローラン」を観ていただけに、ディオールの現デザイナーによる"現在進行形"が知れるのは面白い。
ラフ・シモンズの人となりも女性的な感性があって納得感あり。
コレクションの会場自体、そのままでもかなりいいロケーション。
それを生花だらけにするアイデアとかすごい。
アーティストってギリギリまで創るんだな、やっぱり。
周りは本当に大変。。。
ひとつのコレクションをつくるのも大変だけど現場の大変さは「通常業務」をやりながら並行してコレクション業務も進めること。
通常業務とは顧客から注文された服をつくることで、それでお金をもらって商売している訳で、そこは絶対にはずせない。
だけど、デザイナーからはどっちが大事なんだと怒られる。
ん〜、かなりの板挟み。
アナ・ウィンター、シャロン・ストーンなどセレブリティが見守る中、緊張のコレクションが始まる。
苦労を見てきただけに最後はラフ・シモンズと同じように感動してしまう。
この映画の特徴は、ひとつのコレクションができるまでの裏舞台や、職人たちの素顔、老舗メゾンの内側を覗き見ることができること。
ファッション好きでなくても楽しめるドキュメンタリー。
<作品概要>
「ディオールと私」 Dior and I
(2014 フランス 90分)
監督:フレデリック・チェン
出演:ラフ・シモンズ
配給:アルシネテラン、オープンセサミ
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