2014年2月15日土曜日
女は女である Une Femme est une femme
アンナ・カリーナの魅力が満載!ゴダールらしい初期作品。
ゴダールはやっぱり初期作品が面白い。
アンナ・カリーナの魅力を映したいがために撮ったような作品が「女は女である」。(実際、ゴダールとアンナ・カリーナが新婚な時期)
この頃の作品は、若くて、瑞々しくて、攻めていて、おしゃれで、かっこいい!タイトルグラフィックからして今見てもセンスにあふれている。
本屋で働くエミール(ジャン=クロード・ブリアリ)は、恋人のアンジェラ(アンナ・カリーナ)と同棲中。ある日アンジェラが24時間以内に赤ちゃんが欲しいと言い出し口論に。意見が合わないふたりは売り言葉に買い言葉で、アンジェラは他の男にたのむと言い張り、引けなくなったエミールは「勝手にしろ」と意地を張ってしまう。親友のアルフレッド(ジャン=ポール・ブリアリ)も巻き込むことになり・・・。
ミュージカルコメディとして作品は紹介されるけど、劇中のセリフにも出てくるように「喜劇か悲劇か」分からないような展開になっていく。そういう恋愛の関係性はやっぱりフランス映画ならではか。
ヌーベルヴァーグのど真ん中にいたゴダールらしく、仲間たちに関連する内容が良く出てくる。本屋でアンジェラが手に取る本の横には「地下鉄のザジ」の本があるし、ベルモンド扮するアルフレッドが「テレビで『勝手にしやがれ』をみたい」と言ったり、バーにジャンヌ・モローがカメオ出演していたり、そこで話すエピソードが「パリところどころ」の内容だったり、「ピニストを撃て」を観たという話が出たり、そこに主演していたピアニストのシャルル・アズナブールの曲をジュークボックスでかけたりする。(レコードジャケットがフィリップスのデザインですごくいい)
音楽はジャック・ドゥミの映画音楽で有名なミシェル・ルグラン。美術もドゥミの「シェルブールの雨傘」などを手がけたベルナール・エヴァン。白い部屋に青い服のジャン=クロード・ブリアリと赤い服を着たアンナ・カリーナでトリコロールになっている。
ジャン=ポール・ベルモンドの役名であるアルフレット・ルビッチにしていも、ゴダールが尊敬してやまない監督、アルフレッド・ヒッチコックとエルンスト・ルビッチから取られていたり、左翼系新聞のユマニテ紙にふれていたり、ゴダールらしさが満載だ。
フランス映画の巨匠であるゴダール。アンナ・カリーナと別れた後はドンドンと小難しい路線をひた走り、難解で意味不明な作品が多くなってくる。だけど今だに新作を撮り続けているんだからすごい。そして、常に新しい試みをしようと攻め続けている。生ける巨匠の同時代の作品を観れる幸せを感じて、新作もやはりチェックしよう。
<作品概要>
「女は女である」 une femme est une femme
(1961年 フランス 84分)
監督:ジャン=リュック・ゴダール
製作:ジョルジュ・ド・ボールガール
音楽:ミシェル・ルグラン
撮影:ラウル・クタール
美術:ベルナール・エヴァン
出演:ジャン=クロード・ブリアリ、アンナ・カリーナ、ジャン=ポール・ベルモンド、
配給:新外映
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