2014年6月12日木曜日
サッドティー SadTea
煮え切らない、煮え切れない男女が交錯する、今泉ワールド。
シガスカオ似の主人公・柏木を中心に、12人の男女が「好きって、何?」の間を行き惑う。今泉監督が「ダメ恋愛映画」というように煮え切らない人たちが織りなすおかしなエピソードが続く。
カフェのバイトと店長。二股に悩む映画監督とその彼女たち。彼女へのプレゼントを買いに言ったお店の店員に一目惚れする男、元アイドルを10年間思い続ける男とその元アイドル、DV、方想い、浮気、十人十色の恋愛模様が微妙につながり合いながら「好きって、何?」を考察する。
とにかく煮え切らない人たち。若さがあふれる恋愛っぷりはすごく今っぽい。
公園を延々と競歩する男の映像から始まる本編。これは映画「somewhere」の冒頭のシーンから引用しているとか。
今泉ワールドで面白い。
その中でも、あの競歩する友人・朝日のインパクトは絶大。役者さんのキャラがすごく活きている。最後に浜辺で絶叫するくだりはもうサイコー。大爆笑だ(笑)
ユーロスペースでは監督本人がチラシを手配りしていたり、上映後に「ありがとうございました。」ってロビーでお客さんに声をかけていたり、PRにいそしんでいた。
今泉作品は室内劇が多い中で、監督の家がロケ地になることが多いとか。室内の小物なんかはセットなのか私物なのか分からないけど、「ホーリーモーターズ」のチラシが貼ってあったり、神楽坂のマンヂウカフェ「ムギマル」の手ぬぐいが貼ってあったり、監督の趣味が伝わる。カフェにも奥さんである今泉かおい監督の「聴こえているふりをしただけ」のポスターが貼ってあった。
パンフレットには、サッドティーのレシピも掲載されている。
<作品概要>
「サッドティー」 SadTea
(2013年 日本 120分)
監督:今泉力哉
出演:岡部成司、青柳文子、阿部準也、永井ちひろ、國武綾、二ノ宮隆太郎、富士たくや、佐藤由美、武田知久、星野かよ、吉田光希、内田慈
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
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