2015年12月22日火曜日

ディーン、君がいた瞬間  LIFE


写真家アントン・コービンだからこそのテーマ

ジェームス・ディーンのあの有名な写真たちの裏にあったストーリー。そこに着目したのがアントンコービンらしい。写真家だからこその目線。

マグナム・フォトに所属する気鋭の写真家デニス・ストックは、写真家として自分らしさを表現できる機会を模索していた。そんなある日、新人俳優のジェームス・ディーンに出会う。彼のスター性を見抜いたデニスはLIFE誌に載せる密着撮影をオファーする。

写真でアートをやろうとしたデニスとそれに応えたジミー。
現場で写真を撮るフォトグラファーと掲載するメディア側との見解や意見の不一致がまだまだ相当あった時代。
フォトグラファーの権利を守るためにロバート・キャパらが設立したマグナム・フォト。
そこに所属しているというだけで、デニスの写真家としての意識が人一倍強かったであろうことが推測される。

デニス・ストック(右)
スターにそんなに密着できるものなのか、そういう時代でそういう人柄だったのか分からないけど、仕事とプライベートの境界がないオフショットってああやって心を許してないと撮れない。そしてすごく自然体のジェーム・スディーンも魅力的。


キャストもいい、デイン・デハーンは天才型の俳優。伝説のスターを演じるに当たってかなりのプレッシャーだったと思う(実際何度もオファーを断ったらしい)。あのモゴモゴしたしゃべり方と容姿が似てるのかと最初は思ったけど、最後タクシーで訪れてデニス呼ぶ姿は、ジェームス・ディーンに見えた。



そして、有名な写真の数々。
マンハッタンで雨の中をタバコをくわえて歩く姿や、床屋での姿など、どこかで必ず見たことあるライフ誌を飾った写真たち。
それになぞらえたシーンがあるのが楽しい。

そして、アントン・コービンは、やっぱり男くさい題材が好きだ。
本作は「誰よりも狙われた男」に次ぐ長編4作目。
ジェームス・ディーンが亡くなる直前のデニス・ストックとの時間にフォーカス。
この一瞬を切り取って作品に仕上げた。


いまだに色あせない伝説のスター。
こんなに有名なのに主演作品は、わずかに3本。
「エデンの東」(1955)
「理由なき反抗」(1955)
「ジャイアンツ」(1956)

享年24歳。


<作品概要>
(2015 カナダ=ドイツ=オーストラリア 112分)
監督:アントン・コービン
主演:デイン・デハーン、ロバート・パティンソン
配給:GAGA

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