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2014年9月1日月曜日

リトルフォレスト 夏/秋編


たくましき農業女子のお腹がすく映画。

自給自足を地でいく生命力とたくましさ。都会に暮らすひとほど憧れをも感じるような自然とともに生きていく自然さ。
原作は、五十嵐大介の同名コミック。橋本愛主演で実写化された。

都会生活から逃げ出して、故郷の東北の小さな村、小森に戻って自給自足の生活をはじめるいち子。古い一軒家に一人で住み、野菜を育ては、料理し、食べるというシンプルな暮らしの中で、自分の人生を見つめ直していく。

室内の湿気を飛ばすために薪ストーブをたく。せっかくだからそのストーブでパンを焼く。拾ったグミの実でジャムを作ってみる。翌日の朝はそのパンとジャムでモーニング。
なんだかさりげない自然な暮らしが妙にオシャレな感じ。

フードディレクションは、eatripの野村友里さんが担当。だから、出てくる料理がことごとくおいしそう! 橋本愛がこれまたおいしそうに食べる。とてもお腹がすく映画。
それに、宮内優里の音楽が調理シーンととてもよくマッチ。テンポのいい音楽が重なることで手際よく料理している感じがすごく良く演出されている。

都会に疲れた女子はこの映画をみたらきっと田舎暮らしに憧れるに違いない。
だけどあの暮らしは相当に過酷なはず。。
ちなみに、この小さな村「小森」を文字って「リトル・フォレスト」なんだとか。
モデルになったのは青森県大森。


<作品概要>
「リトル・フォレスト」
(2014年 日本 111分)
監督:森淳一
原作:五十嵐大介
音楽:宮内優里
フードディレクション:eatrip
出演:橋本愛、三浦貴大、松岡芙優、温水洋一、桐島かれん
配給:松竹メディア事業部

2014年5月24日土曜日

未来の食卓  Nos Enfants Accuseront


オーガニックブームをフランスで巻き起こした、いのちを考える秀作

食にうるさいフランスだからなのか。食べるものにおいしさだけでなく、安心と安全も真剣に考えている。
学校の生徒や先生、親たちだけでなく、実際に野菜を作っている農家の人たちの意見も面白い。

南仏の緑豊かで小さなバルジャック村の村長ショーレさんは、学校給食と高齢者の宅配給食を全てオーガニックにするという前代未聞のチャレンジをする。村民の協力もあり、学校菜園で野菜作りを始める子どもたちを通してみんなの意識は徐々に変わっていく。

一見すごくのどかで自然にあふれたバルジャックの村だけど、土や水は汚染されている。化学薬品での農業によって土が痩せてしまったり、地下水まで汚染が進んでいたりする。


農家同士のディスカッションも印象的だった。
オーガニック農家と一般農家がそれぞれの主張をぶつけ合う。経済的な部分もあり、きれいごとばかりは言ってられない。だけど無農薬畑との境を見ると明らかな土壌の変化があって、誰が見ても農薬の土壌への影響が見て取れてしまうのはちょっと驚き。
自分たちが食べるものは本当に大丈夫なのかと心配になる。


そして、この映画が訴えるのは「未来をささえる、子どもたちが全て」ということ。
企業の利益追求など大人の身勝手で、未来ある子どもたちに影響を与えてはいけない。

冒頭のシーンで「知り合いにガンや糖尿病のひとは?」という問いに会場の大部分の人が手を挙げる。フランスではガンは死因の第1位で、その7割は食生活など環境からきていると言われている。自身もガンにおかされ(現在は完治)、ガンの原因や食や環境を真剣に考えるうちに多くの人にそこにある事実を伝えたいと思ったのが、監督が本作を作るキッカケだったとか。
監督のジャン=ポール・ジョーは、この後、遺伝子組み換え食品にせまる「世界が食べられなくなる日」など食べることに関するドキュメンタリーを撮り続けている。


<作品概要>
「未来の食卓」  Nos Enfants Accuseront
(2008年 フランス 102分)
監督:ジャン=ポール・ジョー
製作:Nos Enfants Nous Aaccuseront
出演:エドゥアール・ショーレ、ペルコ・ルガッス
配給:アップリンク

2014年4月2日水曜日

浮き雲  Drifting cloud / Kauas pilvet karkaavat


マッティ・ペロンパーに捧ぐ なんとも幸福な映画

それまでのカウリスマキ作品とはちょっと違ってわりと分かりやすいハッピーエンドなストーリー。初期からコンビを組んでいた俳優マッティ・ペロンパーの早過ぎる死によって、一旦はお蔵入りしかけた本作だが、見事な作品となって世に出ることになった。劇中でマッティは幼少時代の写真として“出演”している。
「失業三部作」の第一作に位置づけられる。(ちなみに、次が「過去のない男」、その次が「街のあかり」)

路面電車の運転手の夫と、レストランの給仕長のその妻。仲睦まじい夫婦だが、不況のあおりを受けて二人とも失業してしまう。再就職に奔走するふたりだが、せっかく見つかった仕事先で給料を踏み倒されるは、クビになるはで不幸の連続。ツキにも見放されるが、再起を図りレストランの開業を目指す。


カウリスマキ監督は、常に社会の弱者を厳しくもユーモアをもって描いてきた。社会の底辺にいる彼らが一生懸命生きている姿を通して世の理不尽や格差をあぶり出している。そしてのその主人公たちは一矢報いるものの決して大逆転はしない。「その後どうなったのか、お金はないけど、もしかしたら幸せなのかも」という感じ。

それに比べて本作はわりと分かりやすいハッピーエンド。とは言ってもそこは不幸の連続があってからの話。ダブルで失業した後も運転手なのに免許を失効したり、チンピラにボコボコにされたり、カジノですったり、それはもう散々。だけど、それぞれのキャラクターがとても愛おしくなるようなユーモアにつつまれている。そこが不幸なのに痛々しくない雰囲気をつくりあげている。
カティ・オウティネン演じるイロナが、再就職先の街の食堂で一人しか従業員がいないのにキッチンにスタッフがいるかのように一人芝居したり、同僚のシェフがアル中で落ちぶれまくっていたのに、呼び戻しに行ったらビシっとキメて戻ってきたり、大工のコンビで大男が起用に細かい作業をしてチビの方が大雑把にトンカチをたたいたり。細かいとこまでユーモアがつまってる。

ラストシーンは、ジーンときて涙があふれてくる。
それにエンドロールには「マッティ・ペロンパーに捧ぐ」なんて出てくる。
そんな心あたたまる、なんとも幸福な映画です。



エンディングの曲もいい。





夫婦でお店を始める人たちや、そんなお店が大好きな人たちは必見の名作。


<作品概要>
「浮き雲」  Drifting clouds / Kauas pilvet karkaavat
(1996年 フィンランド 96分)
監督:アキ・カウリスマキ
出演:サカリ・クオスマネン、カティ・オウティネン、エリナ・サロ、カリ・バーナネン、マッティ・ペロンパー
配給:ユーロスペース

2013年8月30日金曜日

二郎は鮨の夢を見る


銀座の名店「すきやばし次郎」。

ミシュランガイドで5年連続三ツ星を獲得。予約を取るのも困難な超人気店。
80歳を過ぎても一線で寿司を握る店主、小野二郎とその息子たちを描いたドキュメンタリー。

頂点を極めるひとはストイックな人が多いのか、二郎さんも多分に漏れずストイックに寿司を極めることに日々精進している。
わずかな違いさえ許さない。極めるほどその仕事はシンプルになっていく。
極めるとはシンプルにいきつくことなのかもしれない。

この日本を代表する寿司職人を外国人が撮ったのがまた面白い。
登場する人物はすべて日本人、舞台も日本。
だけどやはり捉え方が違う。

職人というよりアーティストを追っているようだ。
その視点は、寿司をアートに昇格させてしまった。
料理人が料理しているのではなく、アーティストがアートを創作しているのだ。


日本を外からみる。
新鮮で感慨深い。
観た後は回転でない寿司が食べたくなる。


<作品概要>
「二郎は鮨の夢を見る」
(2011年 アメリカ 82分)
監督:デビッド・ゲルブ
出演:小野二郎、小野禎一、小野隆士、山本益博
配給:トランスフォーマー
URL:http://jiro-movie.com

世界がたべられなくなる日 Tous coveyes?


遺伝子組み換え食品。(GM食品)

こんなに世界で蔓延してるとは。。。
衝撃の事実。
常に安全性が疑問視されているGM食品。
GM企業は安全性を主張するが、本当のところはどうなのか。
GM企業の実験は3ヶ月間ラットに遺伝子組み換えのトウモロコシを与え続けるものだが、本作では2年間(ラットの寿命にあたる)に実験期間を延長して、ラットにどんな影響がおこるのかを確認する。

案の定というべきか、6ヶ月をこえる頃から次々とラットに異変が起こり始める。大きな腫瘍ができるラット、死亡するラットが続出。。
特にメスのラットに異変が多くみられていた。これは人間で言うと女性に多く影響が出やすいということになる。乳がんや子宮頸がん、不妊症といった症状が懸念される。


GM作物は、農薬を撒いても枯れず雑草を除去する手間が省けるなどコスト削減の理由で農家に広まり、アメリカのトウモロコシは、当初10%程度だったGM率が現在では80%にまで達するとか。トウモロコシ、大豆はGM率が非常に高い。

そして、日本はアメリカのトウモロコシの最大の輸入国。
輸入トウモロコシの80%がアメリカ産、そしてその90%が遺伝子組み換え、、、、
GM作物は日本では主に家畜のエサに使われているらしいが、間接的にでも知らないうちに食べていること間違いなし。

TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)に参加することで、今後海外から安価なGM食品が大量に入ってくる。アメリカでは「遺伝子組み換えでない」という表記はないらしい。。
アメリカ人、大丈夫か?
テクノロジーとビジネスが暴走するととんでもないことになる。

世界の食の現実を知るドキュメンタリー。

<作品概要>
「世界が食べられなくなる日」 Tous cobayes?
(2012年 フランス 118分)
監督:ジャン=ポール・ジョー
出演:
配給:アップリンク