2014年10月28日火曜日
誰よりも狙われた男 A Most Wanted Man
フィリップ・シーモア・ホフマンの遺作
2014年2月、名優フィリップ・シーモア・ホフマン逝く。
やはりこのニュースが、本作を決定的に印象づけてしまう。それほどショックなニュース。まだ若干46歳という若さで最後の作品となってしまった。
最初の頃は、コメディ路線ではないけどジャック・ブラックのような3枚目で変態的なのが印象的な俳優だったけど、メキメキと頭角を表し、最近は、「カポーティ」など演技でみせる実力派として役の幅も広げていただけにとても残念。
特に「ザ・マスター」のランカスター役はすごかった。ホアキンもかなりすごかったけど、そうとう濃い役者たちの演技のアンサンブル。そこを牽引するだけの演技力。
そして、ジョン・ル・カレ原作の主人公のような、渋いおじさんで頭をはれる性格俳優だけに今後が楽しみだった。
ドイツ、ハンブルク。イスラム過激派でチェチェン出身のイッサという男の密入国を確認したドイツ諜報部のギュンターは、彼に近づきイッサの目的が銀行のとある秘密口座にあるとつきとめる。彼をすぐにでも逮捕したい上層部やアメリカCIAと、イッサを泳がせて銀行の橋渡しをし、もっと深くまで入りこもうとするギュンターは次第に対立していく。
フィリップ・シーモア・ホフマンに注目は集まるけれど、キャスト陣もウィレム・デフォーやロビン・ライトなど個性派、実力派がそろってる。私欲にとらわれず、弱きを助けようとする美人は役どころとしておいしい。レイチェル・マクアダムスはなかなかいい役立った。
そして、ダニエル・ブリュール。 しゃべったか?というくらいの脇役(笑)
別に彼じゃなくても良かったのではないかというくらいもったいない使われ方だった。
監督は、アントン・コービン。
U2はじめ世界中のアーティストから敬愛されるフォトグラファー。
本作が長編3作目。過去2作も原作もので男っぽい。
アントン・コービンは、写真も映画も被写体はいつも“男らしい”。
男性の“男らしさ”を引き出すのがとても上手で、そしてそれが彼の特徴。
ジョン・ル・カレを題材に選ぶのも分かる。
そして、音楽はこれまた男っぽい、トム・ウェイツ。
アントン・コービンとも昔から親交があり、本作ではエンドロールで流れる。
アントン自身はとてもソフトなひとなのに、彼の作品は男祭りだ(笑)
<作品概要>
「誰よりも狙われた男」 A Most Wanted Man
(2014年 アメリカ=イギリス=ドイツ 122分)
監督:アントン・コービン
原作:ジョン・ル・カレ
音楽:トム・ウェイツ
出演:フィリップ・シーモア・ホフマン、レイチェル・マクアダムス、ウィレム・デフォー、ロビン・ライト、グレゴリード・ブリギン、ニーナ・ホス、ダニエル・ブリュール、ホマユン・エルシャディ
配給:プレシディオ
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