街灯の下でうまれた“自分たちの音”の物語
クリント・イーストウッドがミュージカル映画を撮った!? というまさか情報から入ったから最初は大丈夫かと思ったけど、ブロードウェイの大ヒットミュージカルの映画化であることを後から知って安心。
フォーシーズンズは主なヒット曲しか知らなかったけど、この映画で背景や生い立ちまでよく分かった。これで日本でもまた過去の名曲たちに陽の目が当たるはず。
1960年代、ニュージャージーの貧しいイタリア移民街の理髪店で見習いとして働くフランキーは、そのたぐいまれな歌唱力で、常連客のマフィアのドンはじめ近所でも有名な少年。やがてチンピラのトニーらのバンドに加わり、作曲の才能に恵まれたゴーディオも迎え、バンドは全米No.1ヒットを生むまでに成長をしていく。
60年代のイタリア移民街とは、デニーロとスコセッシ、アル・パチーノとコッポラが描いてきたマフィアの世界。 彼らもそのままいけば床屋のおやじかマフィアのチンピラになっていただろう。その中で音楽で成功できたのは、同じくニュージャージー出身で、己の歌唱力でトップスターに成り上がったフランク・シナトラの影響が大きい。
具体的に目指せる目標(憧れ)があったからこそ、「音楽でも成功できる」という希望が持てたんだ。
主演のジョン・ロイド・ヤングが歌い始めた時は、「何ぢゃこの声は」と思ったけど、原曲もいま改めて聞くとすごい高音域の裏声。曲になじみ過ぎててあまり意識してなかったけど、すごい歌声だったんですね。
ヤングは、厳しい審査を勝ち抜いたブロードウェイのミュージカルで、ずっと主演を務めていた役者だけに、適役だったんだろう。
▼原曲はコチラ
そして、まさかジョー・ペシが一枚噛んでいるとは!
同時代のマフィアを描いた「グッドフェローズ」のジョー・ペシの役名は、なんと、トニー・デヴィート。
このあたりの関係性が分かってくるとさらに面白い!
それにしても、イーストウッドは老け顔メイクがお好きなようですが、Jエドガーといい、そんなにアップに映さなくてもいいんじゃないでしょうか。。。
サラリな感じでいいと思います。
映画は、昔ながらの流儀で仲間を大切にして、握手だけの「契約」が紙面で交わす契約書よりアツい約束であったりするあたりがイーストウッドっぽくていい!
<作品概要>
「ジャージー・ボーイズ」
(2014年 アメリカ 132分)
監督:クリント・イーストウッド
出演:ジョン・ロイド・ヤング、エリック・バーゲン、マイケル・ロメンダ、ビンセント・ビアッツァ、クリストファー・ウォーケン、マイク・ドイル、レネー・マリーノ、エリカ・ピッチーニ
配給:ワーナー・ブラザース映画
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