2014年11月15日土曜日

天才スピヴェット  The Young and Prodigious T.S.SPIVET


ジュネの描く映像世界は、3Dとの相性がバツグン!

映像へのこだわりが尋常ではないジャン=ピエール・ジュネが、遂に3D機器を手に嬉々として撮ったであろう最新作は、マーティン・スコセッシ監督の「ヒューゴの不思議な発明」のごとき不思議な映像世界で、天才科学少年スピヴェットが頭の中に描くことがスクリーンから飛び出してくる!というまさに飛び出す絵本のよう。

カウボーイのお父さんと昆虫学者のお母さん、それにアイドルを目指すお姉さんとモンタナの牧場で暮らすT.S.スピヴェットは、わずか10歳にして、応募した発明が権威ある科学賞に選ばれてしまう。授賞式のスピーチを引き受けてしまったスピヴェットは家族には内緒でひとりアメリカを横断して会場のあるワシントンD.C.への向かうのだが。

スピヴェット役のカイル・キャトレットくんがたまらない! 彼の採用を決めたことで年齢設定を原作の12歳から10歳に変えたり、彼より背の低い弟役が見つからず二卵性双生児で彼より背の高い弟という設定にしたという苦労はあったらしいが、それだけの価値がある逸材だった。
そして、カウボーイのお父さん役も今まで知らなかったけどかなりカッコいい役者さん。


舞台はアメリカなのだけど、ジュネらしいシュールで不思議な世界観と変わり者ではみ出し者が主人公なのが嬉しい。
そして何と言ってもジュネ組のドミニク・ピノンが健在なのがいい。


<作品概要>
天才スピヴェット」  The Young and Prodigious T.S.SPIVET
(2014年 フランス=カナダ 105分)
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
原作:ライフ・ラーセン「天才スピヴェット君傑作集」
出演:ヘレナ・ボナム=カーター、ジュディ・デイヴィス、カラム・キース・レニー、カイル・キャトレット、ニーアム・ウィルソン、ジェイコブ・デヴィース、リック・マーサー、ドミニク・ピノン
配給:GAGA


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