古いのに新しい!新世代感覚の映画。
とにかく絵になるクラシックな英国風景がハマる。世界観ができあがっていて、ウェス・アンダーソンの英国版という感じだろうか。(ウェス・アンダーソンの方が世界観はできあがってるけど。)
監督はこれが初となるリチャード・アヨエイド(本当の発音はアイオーアディ。スペルが、AYOADE)。アークティック・モンキーズなどUKのロックバンドのPVを多く手がけてきた。そしてプロデューサーはなんとベン・スティラー。
舞台は80年代の英国ウェールズ。イケてない15歳男子のオリバーは妄想して日々を過ごすが、ある時クラスメイトのジョルダナに恋をする。初恋やら両親の離婚危機やらオリバーの青春がハイセンスな映像とともに描かれる。
2011年の第24回東京国際映画祭で上映され、国内では恐らく未公開。レンタルでは“TSUTAYAだけ”のコーナー(?)でようやくリリース。こんなに良いのにDVDのみの展開なんてもったいない! 携帯もメールもない時代、授業中にメモ書きが回覧されてきてオリバーに回ってきたときに先生に見つかりみんなの前で読み上げさせれる。なんとも懐かしい展開。というか日本と変わらない(笑) そんな何でもない高校生の日常をハイセンスな映像で魅せる。早いカット割りや8mmフィルムの映像などを駆使してテンポよく展開していて、良い意味でイマドキ。
※ベン・スティラーもカメオ出演してる
そして、音楽がいい! アークティック・モンキーズのフロントマン、アレックス・ターナーの楽曲が全編流れ、アレックス本人もこのサントラでソロデビューを果たしている。
本編でも、これまた冴えない主人公オリバーのお父さんが若い頃に聞いていたというカセットテープをオリバーにくれるという感じでも流れ、いいところで使われる。というか、PV出身の監督だけに音楽ありきなのか。
Alex Turner |
アークティック・モンキーズの他にも、ヴァンパイア・ウィークエンド、カサビアン、ヤー・ヤー・ヤーズなどのPVも手がけている。
※参照
そして彼はもともとコメディアンとしても活躍している。
かれのコメディ番組もおもしろい!(字幕なしだけど楽しめる)
とにかく要チェックな監督。これからの作品がとても楽しみ!
<作品概要>
「サブマリン」 SUBMARINE
(2010年 イギリス 96分)
監督/脚本:リチャード・アヨエイド(アイオーアディ)Richard AYOADE
原作:ジョン・ダンソーン
製作:ベン・スティラー
出演:クレイグ・ロバーツ、ヤスミン・ペイジ、サリー・ホーキンス、パディ・コンシダイン、ノア・テイラー
配給: