2014年8月24日日曜日
ぼくを探しに ATTILA MARCEL
シルヴァン・ショメが描く実写世界は、まるで「アメリ」のようにポップ。
シルヴァン・ショメ待望の新作は、なんと実写映画。「パリ・ジュテーム」で既に実写を撮っていたのを知らなかっただけにビックリ。アニメ作家の枠に収まらない多才ぶりを発揮させている。
「ベルヴィル・ランデブー」のサントラで使われた曲「アッティラ・マルセル」から着想を得て、さらにフランスの文豪マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」のエッセンスを織り交ぜたという本作。わりと分かりやすく作品の中でも演出されている。
幼い頃に両親を亡くしたショックでしゃべれないまま大人になったピアニストのポール。いつもお揃いの洋服でそっくりな叔母姉妹とともに静かに暮らしていたが、ある日同じアパートに住むマダム・プルーストの部屋を訪れたことをキッカケに失われた記憶を得ていくことに。
「ベルヴィル・ランデブー」で出てきた老婆の3姉妹を思わせる叔母姉妹。物語の中でもかなりのキーパーソン。いつも同じような(まるっきり同じではない)洋服を身にまとい、キャラができている。
写真右がなんと、ベルナデット・ラフォン! 観ている時は全く気づかなかった。本作が彼女の遺作になったそう。
それにしても主人公の周りはみんな女性たち。母親、叔母姉妹、マダム・プルースト、そして中国人(笑)。彼女たちがポールの人生に多大な影響を与えている。
映画を彩る美術や衣装などはすごくポップで「アメリ」っぽいと思ったけど、プロデューサーが、「アメリ」と同じく、クローディー・オサールなんだとか。
アニメでなくてもショメの個性は十分に発揮されていた。アニメ作家が実写を撮る例はたまにあるけど、最近では同じくフランスのパトリス・ルコントが、逆にアニメで新作を作るというかなり珍しいことをやってのけた。※「スーサイド・ショップ」
ポップでハッピーな本作。「ベルヴィル・ランデブー」のようなダークで毒のある感じはあまりなかったが、ルコントはアニメで毒を効かせていた。
<作品概要>
「ぼくを探しに」 ATTILA MARCEL
(2013年 フランス 106分)
監督:シルヴァン・ショメ
製作:クローディー・オサール
出演:ギョーム・グイ、アンヌ・ヌ・イ、ベルナデット・ラフォン、エレーヌ・バンサン、ルイス・レゴ、ファニー・トゥーロン、キー・カイング
配給:トランスフォーマー
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