ケイト・ブランシェットのエレガントさ際立つ 彼女の代表作
とにかくケイト・ブランシェットがエレガント。ファッションが際立つ。シャネル、エルメス、グッチ、etc、、ハイブランドのオンパレードでそれを見事に着こなすケイト。
品と、品格の高さが醸し出される。
役では虚栄のセレブだけど、ケイトの品格は本物。彼女だから高められた役。
夫が金融詐欺で逮捕され自身も破産に追い込まれたジャスミンは、サンフランシスコに住む妹のジンジャーを頼って、居候に訪れる。今までのセレブ生活が忘れられず、ブランドものに身を包み、嘘と虚言で身を取り繕うジャスミン。そんな彼女の元に理想の男性が現れるのだが。
ケイト・ブランシェットは、アカデミー賞主演女優賞を受賞しただけある、みごとな好演。キャリアのある女優さんだけど、ここにきて代表作となった感じ。
シャネルのジャケットがこんなに似合う人がいるでしょうか。とにかくファッションが良かった。庶民的な妹役のサリー・ホーキンスがかなり引き立て役として効いてる。ウディの分かりやすい演出が光る。
今回の編集では、落ちぶれた現在とセレブ時代の過去とが交互に映し出される。ケイトの容姿はセレブ時代の服を着続けているので、外見は全く変わらない。だから現在の映像なのか、過去の映像なのか一見区別がつきにくいはずなのに、観ているとそんなことは全くなく、現在なのか過去なのかハッキリと分かる。そういうとこは、やっぱり監督の力量なのだろう。
「ミッドナイト・イン・パリ」、「ローマでアモーレ」など、最近はロマンティックコメディが続いていたけれど、本作ではコミカルに描くというよりは、落ちていく様を冷徹に追う感じ。コメディではないシリアスな話なんだけど、そこはウディ・アレン節。その眼差しはとても優しく、安心して観ていられる。
その安定感はさすが。名人芸は健在。
本作では、ファッションがかなり良かったけど、ウディ・アレン映画の楽しみと言えば、やっぱり音楽(ジャズ)。今回は名曲「ブルームーン」が作品を彩る。
ここ最近は、ヨーロッパの美しい都市など毎回違うロケーションで撮るウディ・アレン。今回の舞台に選んだのはアメリカ西海岸、サンフランシスコ。
海を見渡すドワイトの新居は、すごいロケーション。
ずっとニューヨークにこだわって撮り続けてきたウディ・アレンが地元を離れて舞台としてきた都市は全て観光したくなるような素敵な場所ばかり。その土地の魅力を引き出すのがすごく上手い。
コリン・ファースを主演に迎える次回作「Magic in the moonlight」の舞台は、南仏だとか。今から楽しみだ。
<作品概要>
「ブルージャスミン」 Blue Jasmine
(2013年 アメリカ 98分)
監督:ウディ・アレン
出演:ケイト・ブランシェット、サリー・ホーキンス、アレック・ボールドウィン、ピーター・サースガード、ルイス・C・K、ボビー・カナベイル、アンドリュー・ダイス・クレイ、マイケル・スタールバーグ、タミー・ブランチャード、マックス・カセラ、オールデン・エアエンライク
配給:ロングライド
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