2014年5月19日月曜日
世界の果ての通学路 on the way to school
シンプルで、本質的で、とても大事なことを教えてくれる
彼らはなぜ、命がけで道なき道を通学してくるのか?
ドキュメンタリーとしてフランスで大ヒットした本作。近年はフランスもネイチャー系などのドキュメンタリーが徐々に観られるようになってきたらしいけど、「学校論争」で揺れる社会状況がヒットに背景にあったとか。
この映画は、砂を掘る手のアップから始まる。
掘っていくと、すぐに水分のまじった砂になり、やがて水たまりができる。
それが水を汲もうとしていた少年の姿だと分かる。そして、そこからその少年がいかに貧しく、辺鄙な場所に住んでいるのかが分かる。
少年の名前はジャクソンくん。
学校に通うために夜明けには家を出る。象など危険な動物が生息するサバンナを駆け抜けていかなくてはいけない。高台にのぼって、動物のいない安全なルートを確認し「今日は、このルートで行こう」と決める。毎日が“命がけ”の通学だ。
本作では信じられないような、非常に困難な通学路にも関わらず、自ら望んで学校に通う4組の少年少女たちが登場する。
■ジャクソン(11歳/ケニア)
片道15km/2時間
■カルロス(11歳/アルゼンチン)
片道18km/1時間30分
■ザヒラ(12歳/モロッコ)
片道22km/4時間
■サミュエル(13歳/インド)
片道4km/1時間15分
なぜ、そこまでして学校に行きたいのか?
彼らには夢があった。
その夢をかなえるためには学校で勉強することが必要だと分かっている。
“学べることの幸せさ”
便利で安全な世界に慣れきってしまった我々からするとシンプルすぎるその答え。
だけどそこに本質があって、とても大事なことなんだ。
彼らを見ているととても勇気づけられ、そして応援したくなる。
それだけ強い信念が、あの困難な通学をものともさせないのだろう。
本作の候補には中国も入っていたけど公開したがらない当局によって候補からはずれることになったとか。
同じような環境を描いた作品だと「三姉妹〜雲南の子〜」が近いかも。
子どもの時に決めた夢に向かって真っすぐに進んでいく姿を映した作品では、「夢は牛のお医者さん」がやっぱりダントツにいい。
<作品概要>
「世界の果ての通学路」 on the way to school
(2012年 フランス 77分)
監督:パスカル・プリッソン
出演:ジャクソン、カルロス、ザヒラ、サミュエル
配給:キノフィルムズ
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