2014年1月6日月曜日
鑑定士と顔のない依頼人 The best offer
名匠と絵画とミステリー
とても上品なミステリーに仕上がっていた。美術品を扱う内容だからというのもあるけどやっぱりジェフリー・ラッシュが効いている。「英国王のスピーチ」の印象が強いのかもしれないけど、彼が出ているだけで知的で高貴で上品な感じがしてしまう。作品の内容とキャストがとてもマッチしていた。
鑑定士でありオークショニアでもあるヴァージル・オールドマンは腕は一流だが、人を信用しない偏屈な男。ある時、相続した膨大な数の美術品を売却したいという女性から依頼が入る。ところが何だかんだと理由を並べ姿を現さないその女性に興味を持ち始め、引き受けた鑑定を進めながら徐々に姿の見えないその女性にのめり込んでいく。
監督は、イタリアを代表する名匠ジョゼッペ・トルナトーレ。「ニュー・シネマ・パラダイス」は誰もが知る名作。そして音楽を手がけるのがこの「ニュー・シネマ・パラダイス」のあの名曲を手がけたイタリアの至宝エンニオ・モリコーネ85歳。ほぼ全ての作品でタッグを組む黄金コンビ。
超一流で仕事一筋、恋する相手も絵画の中の女性たち。
そんなおじさんがある時、初めて生身の女性に恋をした。そしたらやっぱり案の定、人生が狂い出す。恋は盲目なんていいますが、どんなに仕事で一流の人でも冷静な判断ができなくなってしまうのか。脚本も良くできていて面白かった。
向かいのカフェにいる不思議な女性、その存在はデヴィット・リンチの映画にも出てきそうな感じ。
最後のシーンで彼が待っていたのは誰なのか。それとも待ち人は来ないのか、あの意味が知りたい。
本作では数々の有名絵画が登場する。
◆ルノワール 「ジャンヌ・サマリーの肖像」
◆モディリアーニ 「青い目の女」
◆ゴヤ 「ベルムーデス夫人の肖像」
◆クリストゥス 「若い女の肖像」
◆ブーグロー 「ヴィーナスの誕生」
◆ティツィアーノ 「ラ・ベッラ」
◆ボッカチーノ 「ジプシーの少女」
◆クレディ 「カテリーナ・スフォルツァ」
など
▼予告編
http://www.youtube.com/watch?v=6oeE9w_w6Ak
<作品概要>
「鑑定士と顔のない依頼人」 The best offer La migliore offerta
(2013年 イタリア 131分)
監督:ジョゼッペ・トルナトーレ
音楽:エンニオ・モリコーネ
出演:ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルヴィア・ホークス、ドナルド・サザーランド、フィリップ・ジャクソン、ダーモット・クロウリー、リヤ・ケベデ
配給:ギャガ
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