2014年9月19日金曜日

鬼灯さん家のアネキ


エロマンガ的コメディで描く、今泉流「好きって何?」

「サッドティー」に引き続き、ちょっとダメな人たちの不器用な恋愛模様を描く、今泉力哉監督の最新作。「サッドティー」よりもキャストは豪華にも関わらず、新宿武蔵野館で期間限定のレイトショーなんてもったいない。
原作は、五十嵐藍による4コマ漫画。監督としても(おそらく)初の原作モノ。それをどれだけ実写化できるのか、と思いつつも見事に今泉監督の空気感になっていた。

冴えない童貞高校生の吾郎は、同居する血の繋がらない姉が日々仕掛けてくるエロいイタズラに翻弄されながらも、姉ハルのことが好きでたまらない。そこに幼なじみで同級生の水野が絡んできて、吾郎とハルの関係性が大きく動き出していく。


個性的な登場人物たちを演じるキャストがいい。原作では弟の吾郎はイケメンなのに、本作ではなぜか前野朋哉(笑)「桐島部活辞めるってよ」で強烈な個性を発揮した彼だけど、今年は「大人ドロップ」、「晴天の霹靂」にも出演して、さらに「ぶどうのなみだ」、「日々ロック」なども年内公開を控える人気っぷり。
ハライチの澤部やハマケンのような愛嬌たっぷりに笑いを誘うキャラが、エロい姉たちに振り回される役どころに大ハマり! とても笑わせてくれる。


仲間由紀恵みたいな水野役は誰なのか思っていたら、何と佐藤かよだった。
記憶に合ったイメージと違っていたので全然気がつかなかった上に役柄としても意味深なキャスティング。

エロコメディのままいくのかと思いきや、後半に向けた伏線がいろいろと張られていて、脚本もよく練られていて面白い。
それにしても、スポテッドプロダクションズは、インディーズ映画をかなり牽引している。これからも面白い作品の発信基地であってほしい。


<作品概要>
鬼灯さん家のアネキ
(2014年 日本 118分)
監督:今泉力哉
出演:谷桃子、前野朋哉、佐藤かよ、川村ゆきえ、古崎瞳、岡山天音、葉山レイコ、水澤紳吾、モト冬樹
配給:KADOKAWA、SPOTTED PRODUCTIONS

0 件のコメント:

コメントを投稿