2014年9月8日月曜日

STAND BY ME ドラえもん


ドラえもんってやっぱり世代を超えている

「ドラえもん」をとっくに卒業した人たちが、子どもを連れて映画館に来て、久しぶりにまたドラえもんと出会った。そんな現象が起きている。
アニメの歴史が長い日本だからなのか、2世代で楽しめるタイプの作品の代表格が「ドラえもん」。まさかの3D CGで「どうなのか?」という前評判もなんのその、大ヒットを記録中。

何をやっても冴えない“のび太”の元に、ある日未来から玄孫のセワシとドラえもんがやって来る。あまりにも冴えない先祖の“のび太”を幸せにするため、ドラえもんを置いていく。
乗り気でないドラえもんだが、「のび太を幸せにする」まで未来へ帰れないとプログラムされてしまい、しぶしぶのび太の願いを叶えようと様々な未来の道具を駆使して力を貸すうちに、ほっておけない“のび太”との間に友情が芽生えていく。


「ドラえもん」の長編には、映画ならではの面白さはあるのだけれど本作は、劇場版のオリジナルというよりは、テレビ版のダイジェスト編集になっていた。過去の有名エピソードから色んな場面がチョイスされているので、新しいストーリーに出会うということはないのだけれど、子どものとき以来の「ドラえもん」を観るには、そのくらいでちょうど良かったのかもしれない。

それにしても、山崎貴監督は、ベタなお涙ちょうだいが好きなのか。いや、きっと好きなのだろう。「三丁目の夕日」も「永遠のゼロ」もそうだけど、VFXを駆使しながら描く世界はすごくアナログで、ベッタベタなストーリー展開。最新技術でアナログを描く。そして涙をさそう。そんな展開が大好きな監督なのだろう。
監督の長編デビュー作「ジュブナイル」はドラえもんに大分影響を受けているのだとか。


劇中にはパナソニックやトヨタ、グリコなどの企業ロゴの看板で出てくるが、この各社は映画に合わせて広告やキャンペーンも実施中。
特にトヨタのCMでは実写版で、ドラえもんが何故かジャン・レノという突拍子もない設定(笑) このCMはクリエイターの佐々木宏氏が手がけたもので、サントリーBOSSのトミー=リー・ジョーンズが何故か宇宙人だったり、ソフトバンクの白戸家のお父さんが何故かイヌだったり、、 とにかく視聴者を驚かせる「意外な設定」が得意な広告界のマエストロ。
本作では、映画の宣伝クリエイティブディレクターとして参加していたりする。

それにしても、久しぶりに見る「ドラえもん」のCG姿や声優への違和感も最初はあったけど、映画を観出すとそれも徐々に慣れていく。ここにきて大人も子どもも一緒に楽しんで大ヒットしているところをみると世代を超えたスゴさを感じてしまう。


<作品概要>
STAND BY ME ドラえもん
(2014年 日本 95分)
監督:八木竜一、山崎貴
原作:藤子・F・不二雄
出演:水田わさび、大原めぐみ、かかずゆみ、木村昴、関智一、妻夫木聡
配給:東宝

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