2014年9月4日木曜日
her/世界でひとつの彼女
人とAIの禁断の恋の行く末は?
スパイク・ジョーンズ監督の待望の最新作は、なんとOSと恋してしまった男のお話。
ホアキンの暖色系のやわらかい色彩の服装、部屋のインテリアや、森に吊るされたかのようなエレベーターの内装などこの映画を世界観を彩るアートワークがとにかく素晴らしい!
近未来なのにちょっとアナログっぽいあたたかみが感じられるところはミシェル・ゴンドリーとも似ている。
近未来のロサンゼルス。離婚で傷心中のセオドアは、ある日、人工知能(AI)搭載の最新OSを興味本位で購入する。本当の人のように話しかけ日ごとに学習し自分仕様になっていくそのOS「サマンサ」に次第に惹かれ始めるセオドア。やがて、人とコンピューターという垣根を超え、互いにふたりは惹かれ合っていく。
サマンサは声だけのため、ほとんどがホアキン・フェニックスの一人芝居のような状態。「容疑者ホアキン」ではかなりおバカなことをやったけど、やっぱりホアキンの演技は巧い。「ザ・マスター」の怪演に引き続き、ひとりで映画を引っ張れる力量がある。
そして気になった演出が、“摩天楼の夜景”。ホアキンのメンタルな要素とリンクしていて、浮かれている時はキラキラときらめき、落ちている時は淀んでいたりする。
カレン・Oの音楽もすごく良くて映画を彩るとてもいい要素になっている。彼女は、「かいじゅうたちのいるところ」に引き続いてスパイク・ジョーンズとのタッグ。
ファッション、音楽、アートワークなど良い要素がこんなにあるにも関わらず、どうもピンとこなかったのはなぜなのか。
今年一番かもと期待を込めて観に行ったのがハードルが上がってしまったのか、自分でもよく分からないけどスーパーマリオみたいなホアキンのラブストーリーに違和感を覚えてしまった。
ありそうでない世界。空想の世界。スパイク・ジョーンズに求めていたのがそういう世界観だったのかもしれない、だけど現代でも2Dだけが好きという若者がいて、近い将来は普通にありえそうな世界なだけに、相容れなかったのか。
でも作品としては、間違いなく素晴らしく、いい映画。
<作品概要>
「her/世界でひとつだけの彼女」
(2013年 アメリカ 126分)
監督:スパイク・ジョーンズ
主演:ホアキン・フェニックス、エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリビア・ワイルド、スカーレット・ヨハンソン、クリス・プラット、マット・レッシャー
配給:アスミック・エース
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