2015年2月9日月曜日
ぼくの伯父さん Mon Oncle
ジャック・タチの代表作!いろいろな対比がおもしろい
興行的にも、名声的にも大成功をおさめたジャック・タチの代表作。
第31回アカデミー賞外国語映画賞と第11回カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞し、国際的にもタチの名を知らしめた作品。
それにしても、ユロ伯父さんがとてもチャーミング!
超モダンな高級住宅に住むアルペル夫妻の息子ジェラールは何もかもがキッチリとしている自宅が窮屈で仕方がない。ユロ伯父さんと遊ぶ方が好き。
夫妻は、そんなユロ氏が定職もなく気ままに暮らしていることを心配して仕事や結婚相手を紹介しようとあれこれ世話を焼くのだが。
ジャック・タチは完璧主義で構図やセットの作り方、間に関してもこだわりを見せる。
冒頭から工事現場の看板にキャストやスタッフ名が印字してあったりして、そのためだけのシーンをわざわざ撮ったんだなって分かる。
車がきれいに並んで一定の間隔で進むシーンは、構図のこだわりが垣間見れる。その車は、とあるモダンな高級住宅から出発する。
最新式の機能のあふれるそのモダン住宅の始まりから、ゆる〜い雰囲気のユロ伯父さんへ。この対比がおもしろい。
この映画では、最新式のモダンな注文住宅と下町の不思議なアパートメント、お金持ちと街の人々、自動車と馬車、大人と子ども、などいろんな対比を見せて、アメリカ的な効率化や物質文明の風潮をコミカルに風刺してみせている。
それにしても、ユロ伯父さんが住むアパートメントの構造が面白すぎ。
右下の黒い扉を入って、階段をくねくねと上がって右上の3階部分まで行くと今度は渡り廊下を少し下って左側の建物へ。最後にぐるりとベランダを回りこんで左側最上部の部屋にたどり着く。
なぜその構造??(笑) 誰もが突っ込みたくなる不思議な造りのアパートメント。
効率で言ったら最悪だけど、ユロ伯父さんの部屋と聞けば納得。
ジェラールでなくても遊びに行きたい。
<作品概要>
「ぼくの伯父さん」 Mon Oncle
(1958年 フランス 120分)
監督:ジャック・タチ
出演:ジャック・タチ、ジャン=ピエール・ゾラ、アドリアンヌ・セルヴァンティー
配給:日本コロンビア
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