2013年8月27日火曜日

終戦のエンペラー


夏はやっぱり戦争ものが出てくる。
今作も夏公開の第二次世界大戦を描いた作品だ。

実在の人物、日本通でマッカーサーの部下であるフェラーズ准将が天皇の戦争責任を調査するよう命じられ奔走するが、、、

戦後の日本統治をGHQがどう考えていたのか、その当時がどうであったのかをフェラーズ准将とアヤとのラブストーリーも交え描いていく。

アメリカから見た日本だと割と偏っていることが多いが今作はプロデューサーが日本人だけあってそこは違和感なく見れた。
プロデューサーの奈良橋陽子は、本作で天皇の側近として登場する関屋貞三郎(夏八木勲が演じる)の孫にあたるそうで、知られるざるエピソードを幼少のころから聞いていたようなので天皇が当時どうであったのか、誰も知るよしもないことの真実味が感じられる。
また、外交官の娘で幼い頃から海外生活をしていた奈良橋陽子だからアヤの設定が生まれたのかもしれない。



セットはニュージーランドで組まれたそうだが、戦後の焼け野原の東京がちゃんと描かれていた。震災のニュースでみた瓦礫だらけの町、戦後の東京もまさにそんな感じだったのだ。今の豊かで夜でも明るい東京とは比べ物にならない、同じ町とは思えない。
日本はその後、奇跡的な復興と成長を遂げ世界をリードする経済大国になった。
その礎を築いたのがこの映画の登場人物たちや多くの人たちだったのだ。

天皇の玉音放送を前に降伏に反対する陸軍将校たちが、録音テープを奪おうとクーデターを起こしたことなど今まで知らなかったエピソードもあり驚き。
夏に戦争映画、これは日本の永遠のテーマなので是非いろんな角度から掘り下げていってもらいたい。

そして今作のように海外との作品にドンドン日本の俳優やスタッフも参加してインターナショナルな映画環境を盛んにしていってほしい。


<作品概要>
終戦のエンペラー」 EMPEROR1
(2013年 アメリカ 105分)
監督:ピーター・ウェーバー
出演:トミー・リー・ジョーンズ
配給:松竹






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