2014年4月23日水曜日

パンドラの約束  PANDORA


"反原発"から"原発支持"へ180度方向転換な人々を追うドキュメンタリー

サンダンス映画祭で反響を呼び、映画を観る前に
75%以上が反原発だったのに、観賞後は8割以上が原発推進を支持したという触れ込みで登場。

宣伝の触れ込みは凄かったけど、そこまですごいか?? というのが正直な感想。
感心の低いアメリカではそうだったかもしれないけど、被爆国であり、震災時に福島で原発事故も引き起こした日本での受け止め方はまたちょっと違う。

アメリカの著名な環境活動家やイギリスのジャーナリストなど、元々は反原発の人たちが180度意見を変えて、支持になった経緯を追い、温暖化や貧困の解決策として唯一のエネルギー源であることを訴える。


監督は、ロバート・ストーン。自身も原子力には反対をしてきたが、環境問題を探る中で「貧困と温暖化を解決できる唯一の道が原子力エネルギーだとしたら?」と立場が変わったらしい。

この映画では、
・原発はCo2を出さず、フランスは、反原発国ドイツの半分の排出量
・チェルノブイリの被害は言われているほど悲惨じゃない
・放射線は自然界にもある
・次世代の原発(IFR)は、安全性が高い
など、環境保護的なメリットや、放射能の危険性が誇大に主張されていることなどを訴えている。

んー、だけどちょっと楽観的な意見じゃないでしょうか。
Co2を出さないのは分かるけど、多大なリスクはあるし、次世代の原発はいくら安全だと言ってみても、今までも安全と言われてきたものだけに「想定外の出来事」が起こった際の危険性は感じてしまう。


シネマライズは真逆の作品「100,000年後の安全」と併映しているところが面白い。こちらは放射能の有害性や危険性を訴え、フィンランドにある放射性物質の処理場を描いていている作品。この現場を視察して原発支持から脱原発に意見を変えたと言われるのが、小泉純一郎元首相だ。
ただこの作品はとっくにDVDで観られるのでその辺りは微妙。以前のシネマライズならやらなかったような企画で、かつてのミニシアターの雄も迷走感が否めない。


一番驚いたところは、チェルノブイリ近郊の避難地区の村に住民が(勝手に)戻ってきていること。そしてそこで普通に生活をしていたことだ。 チェルノブイリでは今でも人が立ち入れないために動物が繁殖しているとか。 この住民たちや動物たちに協力を仰ぎ、多いに研究してもらい、是非今後の福島の対策に役立ててもらいたい。


<作品概要>
パンドラの約束」  Pandora's Promise
(2013年 アメリカ 87分)
監督:ロバート・ストーン
出演:スチュアート・ブランド、グイネス・クレイブンス、レン・コッホ、マーク・ライナース、リチャード・ローズ、マイケル・シェレンバーガー
配給:トラヴィス

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