2014年2月21日金曜日

スノーピアサー  Snow piercer 雪国列車


世界の縮図、雪国列車

天才ポン・ジュノが手がける最新作は、最後の人類が乗る列車が舞台という奇想天外な設定。もともとはフランスの漫画をみて映画化を思いついたとか。エド・ハリスやクリス・エヴァンスなどハリウッド俳優を使い、遂にハリウッド映画を撮るのかと思いきや、ハリウッド映画ではないらしい。あくまで韓国映画のつもり。監督によると、「この設定で韓国人だけだったらおかしいでしょ(笑)」という理由。ちなみに製作国は、韓国=アメリカ=フランスの合作となっている。

現代。地球温暖化防止の最終兵器として、人類は大気圏に冷却剤を巻くが、それが原因で地球は一気に氷河期状態になり生物は死滅してしまう。唯一生き残ったのが世界を一年かけて一周し、自給自足ができる列車に乗り合わせた乗客たち。ただ、乗車時の等級によってそのまま格差社会が形成され、末端の人々はひどい環境で暮らしていた。そんな中、リーダー格のカーティスは、自由を目指し支配階級に対して反乱を企てる。

電車の最後尾から1両ずつ前方に向かって進んでいく設定が、ゲームをクリアしていくような感覚で面白い。狭い車両の中だけで壮絶なアクションが繰り広げられる。


だけど今作の見所としては、やっぱりティルダ・スウィントンの怪演(笑)
出っ歯に眼鏡の面白すぎるキャラを見事に演じている。この人の振り幅は結構すごい。そして本作では二役こなしているとかで、メイソン役以外にも登場しているらしい。だけど、何役なのか全然分からない。。。

キャストでいうと、ポン・ジュノ組のソン・ガンホがまたいい!その存在感は圧倒的。しかも全編英語の作品なのにも関わらず、一切英語をしゃべらずいつもの調子で韓国語をしゃべる。やっぱりハン・ガンホには韓国語をしゃべっていてもらいたい。
それにしても俳優の新井浩文と似てきている気が。(笑)

環境破壊や温暖化など人類に体する皮肉たっぷりのポン・ジュノらしいテーマ。ノアの箱船とも言えるスノーピアサー(雪国列車)の乗客たち。最後の少年と少女はアダムとイヴにも見える。


<作品概要>
スノーピアサー」 Snow Piercer / 雪国列車
(2013年 韓国=アメリカ=フランス 125分)
監督:ポン・ジュノ
製作:パク・チャヌク
原作:ジャック・ロブ、ベンジャミン・ルグランド、ジャン=マルク・ロシェット
出演:クリス・エヴァンス、ソン・ガンホ、ティルダ・スウィントン、ジェイミー・ベル、オクタビア・スペンサー、ユアン・ブレムナー、コ・アソン、ジョン・ハート、エド・ハリス、アリソン・ビル

0 件のコメント:

コメントを投稿