2015年4月25日土曜日

セッション  WHIPLASH

狂気のセッション

狂気をはらんだ映画は怖い。
そしておもしろい。 疲れるけど。
「ブラックスワン」のような緊張感。
全編にわたってこの緊張感が支配する。

名門音楽院に進学しジャズドラマーを目指すニーマンは、伝説の教師フレッチャーの指導を受けることになるが、鬼コーチの指導は次第に狂気をおび、徐々にニーマンを追い詰めていく。

フレッチャー演じるJ・K・シモンズは、「フルメタルジャケット」の鬼軍曹のごとく生徒を追い詰めていく。この演技でアカデミー賞助演男優賞を受賞したほどの怪演。
そして、それに応えるのは友達もいなくドラムに全てを捧げる孤独な天才ニーマン。
まるで「ソーシャルネットワーク」のジェシー・アイゼンバーグ演じるザッカーバグのよう。
ニーマンを演じるのは、若手俳優マイルズ・テラー。
これからが楽しみ。


そして、音楽。
ドラムのリズムで全編通すのは、「バードマン」に続き、この「セッション」もそう。
名門音楽院の話だけに、全編ジャズのセッションが流れる。
本来、自由なセッションのはずのジャズ。だけど、鬼教師フレッチャーの支配するビッグバンドは、一切のズレは許されない。当然アドリブなんかなし。
ちょっとでもテンポがズレようものなら一気に二軍行き。
「ファッキン、テンポ!!」と怒鳴られる。
観ていてもテンポがズレているかどうかなんて一切分からないけど。(笑)

サントラ版

こういう音楽映画はサントラもいい。
映画の原題になっている「WHIPLASH」とは劇中に練習曲としても出てくる曲で、意味は「首のムチ打ち」。ドラムに熱中するあまりかかってしまう疾病だそう。
もうまさにこの映画そのもの。

そしてこの映画のすごいところが、音楽映画の皮をかぶったサスペンスであること。
狂気をおびた師弟の攻防。音楽を超えたセッションの見応えがすごい。


<作品概要>
セッション」  SHIPLASH
(2014 アメリカ 107分)
監督・脚本:デイミアン・チャゼル
出演:マイルズ・テラー、J・K・シモンズ、メリッサ・ブノワ、ポール・ライザー、オースティン・ストウェル、ネイト・ラング
配給:GAGA

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