2016年4月24日日曜日

インサイダーズ 内部者たち  INSIDE MEN

韓国社会を牛耳る巨悪に挑み翻弄される男たち。

勧善懲悪型の分かりやすい構図ではあるけれど、敵と味方が入り乱れ、スムーズには運ばないストーリー展開に先が読めない感じで面白い。
イ・ビョンホンのチンピラぶりもカッコよくていい。

次期大統領の呼び声が高い大物政治家と大企業の財閥との癒着の証拠を手にれたチンピラのアン・サングはそれをゆすりのネタにしようと兄貴分の策士イ・ガンヒに持ち込むが、企ては失敗し失墜してしまう。
一方、アン・サングにネタを横取りされ左遷された検事は一発逆転を狙ってアン・サングを探し出す。

韓国社会を牛耳る政治家や財閥企業たちの腐敗ぶりがすさまじい。まさに酒池肉林!な飲み会でゲスなおじさんたちがよく表現されている(笑)


映画は、冒頭カッコよくキメたイ・ビョンホンが記者会見をするところから始まる。
大統領候補や大企業の財閥を告発したシーンからフラッシュバックして、そこに至るまでに何があったのかを描いていく構図。
だからイ・ビョンホンが悪い奴らを吊るしあげた結果が分かった状態から始まるノワールサスペンスなのだと最初思う。
が、そうじゃない展開に二転三転していく。
政治家と財閥は権力モンスターではあるけれど、その間を行き来する策士イ・ガンヒが何を考えているのか分からない。


勧善懲悪な構図ではあるものの、そのストーリー展開はけっこう複雑に入り組んでいて話がよくできている。
熱血検事のウ・ジャンフンが正義感だけでなくて出世欲で協力しているところもなまなましい現実があっていい。

それにしても女優さんがキレイ。
誰なのかと思ったら韓国女優のイエル。
結構重要な役立ったのになぜか作品紹介でもクレジットなく雑な扱いだけど、印象に残る女優さん。


ナッツリターン問題、財閥や大企業の不正、格差社会などいろいろな社会問題で韓国市民の不満がたまっていることがこの映画の裏側にある。「ベテラン」もそうだったけどそれまでタブーとされていた財閥を悪とした描き方が表現され、社会問題を映画が映し出す。

映画としてもとても面白い。


<作品情報>
「インサイダーズ 内部者たち」 INSIDE MEN
(2015年 韓国 130分)
監督:ウ・ミンホ
原作:ユン・テホ
出演:イ・ビョンホン、チョ・スンウ、ペク・ユンシク、イ・ギョンユン、キム・ホンパ、チョ・ジェユン、ペ・ソンウ、キム・デミョン、イエル
配給:クロックワークス

0 件のコメント:

コメントを投稿