2014年4月25日金曜日

たまの映画


なぜ? いま、たま。
一斉を風靡した“たま”のいまを追うドキュメンタリー

イカ天(三宅裕司のいかすバンド天国)でブレイクし、「さよなら人類」でデビュー、60万枚の大ヒットを飛ばした伝説のバンド「たま」。独特の存在感と演奏スタイルで強烈な印象を残した彼ら。時代が移り行く中でも、そのスタイルを変えずにメディア露出よりもライブをメインに活動している、バンド“たま”は2003年に解散。元メンバーの知久寿焼、石川浩司、滝本晃司、それぞれの“いま”を追う。
※途中で脱退した柳原幼一郎は出演していない

「さよなら人類」が、デビュー曲にして、唯一の大ヒットとなったため、一発屋と言われることもあるけど、彼らは常にマイペースで、等身大のパフォーマンスを続けている。

そのスタイルの変わらなさにいま観るとおどろき。実は彼らは全く変わっていなかった。変わったのは彼らを取り巻く環境で、わっと注目して、去っていってしまったのは世間の方だった。彼らは今でも同じスタイルで普通に吉祥寺でライブしてたりする。


ケラリーノ・サンドロビッチ、ワタナベイビー、大槻ケンヂなど、彼らを知る人たちのインタビューなどを交え、当時を振り返るが、昔の映像は出ず“いま”の彼らにフォーカスを当てている。
とにかく当時のインパクトは凄かった。タンクトップが印象的だった石川浩司はそのままで、知久寿焼は歯が抜けて、ハゲてしまっていたけどやってることは変わらない。


監督は新鋭、今泉力哉。本作で長編デビューとなる期待の若手。(奥さんも映画監督の今泉かおり)
今泉監督は、なぜ「たま」を撮ろうと思ったのか。
インタビューによると、元々はこの企画を依頼された時点では、「さよなら人類」という曲と、タンクトップのひとがいるバンドということくらいしか知らなかったらしい。その後、彼らのライブをみて、その不変のスタイルに感銘を受け、ファンでなかったからこそできることもあると、引き受けたらしい。
それでも、「なぜ?、いま、"たま”」という疑問は常につきまとったとか。


「あの人たちは今」というには、何周年記念でもなんでもない。本人やファンたちからも「なぜいま?」と言われたとか(笑) それでも今泉監督は長編デビュー作の題材として彼らを選んだ。そして、ファンでなかったからこその視点で、昔の映像などは使わずに、当時の印象と、実際の人柄なんかを映し出す。
石川さんはライブでインパクトあるパフォーマンスをするけど、インタビューではすごく真面目なこと言ってたりして、知久さんは呑んべえで、虫マニアという(笑)、地で変わった人だったり、滝本さんはその二人と一緒に出てくる分、すごくクールでかっこいい感じだったり。

3人それぞれではあるが、「やりたいことをやりつくす」という言葉が印象的だった。やりたくないことで苦労したくはない。残りの人生をやりたいことをやりつくす、そう言っていた。
これからも、そうであって欲しい。


<作品概要>
たまの映画
(2010年 日本 111分)
監督:今泉力哉
出演:知久寿焼、石川浩司、滝本晃司
配給:パル企画

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