2014年5月27日火曜日

シンプル・シモン  I rymden finns inga kanslor


アスペルガー症候群、シモンの目線で綴った不思議な世界

北欧スウェーデンから心あたたまる作品が登場。まるで絵本のような女子受けしそうなポップな作品。最近のスウェーデンからはこの手の作品がよくやってくる。今年も「なまいきチョルベンと水夫さん」が控える。その他にもアストリッド・リンドグレーン原作の「やかまし村」シリーズ、「ロッタちゃん」シリーズなど。
最近では、「エヴァとステファンとすてきな家族」などが続く。

アスペルガー症候群のシモンは、上手く行かないとロケットに見立てたドラム缶に閉じこもってしまう。そんな彼を唯一理解し、味方してくれるのは兄のサム。ところがシモンが原因でサムは彼女に振られてしまう。大好きな兄の新しい恋人を見つけるため、シモンは立ち上がるのだが。


シモンの目線で描いたところが面白い。
人の心理を読むのは苦手だけど、物理的な論理は得意な彼は、「ひとは磁石のように自分とは違う性格なひとを好きなる」という方程式を信じて、兄のサムと正反対な性格の女性を探そうと、アンケート調査に出たりする。
なぜそんな行動に出るのか、シモンの視点で描くことで理解できる。

ドラム缶のロケットに閉じこもるシモンに、無線で通信する宇宙飛行士の真似することでコンタクトをとるやり取りが、ほのぼのしていていい。
通信中は、二人とも英語でのやり取りになるが、自然と英語が出てくるあたりがスウェーデンの英語に強いところがうかがえる。
ちなみに英語でのやり取りでは、シモンはサイモンと呼ばれている。


主演のビル・スカルスガルド。何か聞いたことあると思ったら、やっぱりお父さんはスウェーデンの名優、ステラン・スカルスガルド。お兄さんも俳優の役者一家だ。

赤×青の配色が好きというシモンのファッションはとてもポップ。
それにすっきりとした壁紙や小物など北欧デザインのインテリアも楽しめる。


<作品概要>
シンプル・シモン」  I rymden finns inga kanslor
(2010年 スウェーデン 86分)
監督:アンドレアス・レーマン
出演:ビル・スカルスガルド、マッティン・パルストレ、セシリア・フォッシュ、ソフィー・ハミルトン
配給:フリップ・ポイカ

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