2016年2月2日火曜日

ヴィヴィアン・マイヤーを探して  Finding VIVIAN MAIER

ミステリアスな写真家にせまる

今の時代ならではの発掘のされ方。
どこで学んだのかは分からないけれど、プロの写真家も称賛する写真を15万点も残した謎の写真家、ヴィヴィアン・マイヤー。

資料集めのためにオークションで競り落とされた写真のネガをブログに掲載したことから反響を呼び、ニューヨークをはじめヨーロッパなど世界中で個展を開催することになった謎の写真家ヴィヴィアン・マイヤー。彼女の写真を収集し、本作の監督でもあるジョン・マルーフがヴィヴィアン・マイヤーとは何者なのかを探るドキュメンタリー。

ロバート・キャパ、デニス・ストック、ビル・カニンガムなど写真家を扱った映画はある。
だけど、これだけのレベルに達しながらたった1点も発表しなかったとは、何ともミステリアスな写真家。
それにSNSを通じて発掘されるなんて、すごく今っぽい。


彼女は結局作品を発表することはなかった。
天井まで積み上がっていたという新聞紙の山。
なぜ、そんなに新聞をためこんでいたのか。
新聞の報道カメラマンになりたかったのか、または新聞の写真から独自にカメラワーク、写真を学んだのか。


彼女の対象となったのは、人。
子供から老人まで生活の中にある人を撮り、その人の人生や背景、世情まで切り取ってみせる。
家政婦として働いてきた彼女には多くの証言が残されている。


そこから浮かび上がる彼女の人物像はとても変わり者。
ダークな面をもち、一般社会ではなじみにくいタイプ。

親戚とは疎遠な一家で育ち、その家族もバラバラな生い立ち。
彼女が人を撮り、家政婦として一般家庭の家族の一員として働いたのは、家族に対する憧れが人一倍強かったからなのかもしれない。


<作品概要>
「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」  Finding VIVIAN MAIER
(2013 アメリカ 83分)
監督:ジョン・マルーフ
出演:ヴィヴィアン・マイヤー、ティム・ロス
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム

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