2014年1月7日火曜日

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ  Only Lovers Left Alive


ひっそりと現代に生きる弱く美しい吸血鬼(ヴァンパイア)

今の時代に暮らす吸血鬼はどうも大変そうだ。
血は病院のドクターに裏金を渡し、新鮮でいて好みの「RH− O型」をご指名し調達する。事件になるから人を殺めることもない、それに最近は汚染された血が増えてきて危険だ。

夜の世界にひっそりと生きるアウトサイダーを描いてきたジャームッシュが今回選んだのは、吸血鬼(ヴァンパイア)。
ついに描く対象が人間ではなくなった(笑)

孤高のアーティストのように、ひっそりと美しく生きるヴァンパイアの恋人、アダムとイヴの恋物語。 やがてイヴの妹エヴァの登場で徐々に二人の生活は狂い出していく。

彼らが調達する血は最上級だ。
小さなワイングラスになみなみと注がれた血を一気に飲み干す。そして全身でそれを味わう。まるで上等なドラッグをキメた時のようだ。


待望のジャームッシュの新作。「リミッツ・オブ・コントロール」依頼4年ぶりの監督作。音楽・英国文学、ジャームッシュが好きなカルチャーがちりばめられている。
特にヴィンテージなギターの数々。好きな人にはたまらないラインナップなのだろう。
だけどやっぱり前作「リミッツ〜」でみせたぶっ飛んだ設定と展開の方が面白かった。
ヴァンパイアという設定も普通ではないけれど。

タンジール - デトロイト
かつては栄えたさみしい街にこの物語は似合う。


<作品概要>
オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライブ」 Only Lovers Left Alive
(2013年 アメリカ=イギリス=ドイツ 123分)
監督:ジム・ジャームッシュ
出演:トム・ヒドルストン、ティルダ・スウィントン、ミア・ワシコウスカ、ジョン・ハート、アントン・イェルチン
配給:ロングライド

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