2014年11月1日土曜日

レッド・ファミリー  red family


理想の家族は、真っ赤なウソだった、けれど。

キム・ギドクがプロデュースという本作。
一見すると礼儀正してく仲の良い理想の家族が、実は赤の他人の北朝鮮工作員たちだった、というかなり面白い設定。
隣に住むケンカばかりの家族との対比で、「家族とは?」を考えさせられる。
キム・ギドク的な痛さは一切ない、笑って泣けるエンターテイメント作品。

若い夫婦とその娘におじいさん。礼儀正しくて仲の良いこの家族。実は韓国事情をスパイするために北朝鮮からやってきた工作員たち。それぞれに家族はいるものの「任務」として偽の家族を演じるが、隣に住むケンカばかりしている「資本主義のバカども」家族の、言いたいことをぶつけ合う姿に次第に影響されていく。


外にいれば仲いい家族だけど、ひとたび家の中に入れば軍隊のような序列社会。
同志とは呼び合うが、上司と部下の関係で、おじいさんが上司のお母さんに怒られるというかなり笑える展開。

本当の家族とは離ればなれで、1年中、46時間中が任務中。
同志の中で監視し合い、偽の家族を演じ、矛盾に感じることも口にはできない。
そんな抑圧されたスパイたちを、隣に住む「資本主義的堕落」のおバカな家族が、影響を与えていく展開は、かなりコミカル。

監督は、本作が長編デビューとなる、イ・ジュヒョン。
キム・ギドクに突然脚本を渡され、最初の打ち合わせ以降は一切を任され、キム・ギドクは撮影中、一度も現場に来なかったとか。
ものすごい振りっぷり(笑)

キム・ギドクの色はないが、後進を育てようとする姿勢はすごくいい。


<作品概要>
レッド・ファミリー」 Red Family
(2013年 韓国 100分)
監督:イ・ジョンヒュン
出演:キム・ユミ、チョン・ウ、ソン・ビョンホ、パク・ソヨン
配給:GAGA

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