2013年9月2日月曜日

トラブゾン狂騒曲 小さな村の大きなゴミ騒動  Der Mull im Garten Eden


遠くの国で起こったゴミ騒動。

トラブゾン地域にあるチャンブルヌ村、ここは監督ファティ・アキンの祖父母の故郷であり、前作「そして、私たちは愛に帰る」の印象的なラストシーンの撮影地でもある。
ドイツ在住のトルコ系移民であるファティ・アキンが初めてこの地を訪れたとき、あまりの自然の美しさに、「ここは天国だ」と感激したとか。

そんな村で起こったゴミ問題。
この美しい村にゴミ処理場が建設されるという。森が切り開かれ処理場は作られていく。

そして、問題が起こる。
大雨が降ると廃水が溢れ出る。
ゴミで悪臭が発生する。
汚染を防ぐ処理場の底が普通のビニールシートだったり。
ずさん過ぎる政府の対応はまるでコメディのよう。 
がまんの限界で抗議に出る住民たち。
この村には住みたくないと出て行く若者たち。


中央政権の都合でしわ寄せを食う地方。
日本でも見られるような現象がこの遠くの地でも起こっている。

ファティ・アキンはカメラひとつで本来埋もれてしまうはずのこの問題を世界に発信した。この遠くの地で本作が公開されることに意味がある。


<作品概要>
トラブゾン狂騒曲 小さな村の大きなゴミ騒動」 Der Mull im Garten Eden
(2012年 ドイツ 98分)
監督・ファティ・アキン
出演:
配給:ビターズ・エンド

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