2013年9月4日水曜日
リアル 完全なる首長竜の日
黒沢清の新作だから観てみた。
そうでなければ観てなかったかもしれない。正直あまり惹かれなかったけど惹かれたポイントが「黒沢清」。綾瀬はるかでなく監督だった(笑)
やはり自分は作家性の強い監督で映画を選んでしまう傾向があるのだろうか。
自殺未遂で植物人間となってしまった恋人の意識に“センシング”しなぜ自殺をしようと思ったのかを探りにいく。
現実ではなく意識下なので、現実ではありえないのような展開がありな世界。映画作家が自由にできる世界。過去のトラウマが意識下を支配しおぞましい闇がリアルに現れはじめる。
自分では過去に葬って記憶していないトラウマが敵となって立ちはだかる。
この人間の闇をテーマに描くあたりはとても黒沢監督らしい切り口だと思う。
映画監督の塩田明彦が「悪意と愛」という題でパンフレットにレビューを載せているがさすが立教大学時代からの盟友であるだけに黒沢清の映画に対する理解度が深い。
塩田監督は「CURE」や「回路」から続く“終わらない悪意”がテーマだという。
人間の記憶とは都合のいいもので自分にとって都合の良いように解釈される。
だから過去に葬られた記憶は自分の中に残っていて、それがあるキッカケでリアルに出てくると、現在の都合のいい記憶とは違うためそれは脅威になる。
そして、そのトラウマの象徴として出てくるのが首長竜なのだ。
黒沢監督がWOWOWで製作した「贖罪」がかなりいいらしい。
<作品概要>
「リアル 完全なる首長竜の日」
(2013年 日本 127分)
監督:黒沢清
出演:佐藤健、綾瀬はるか、オダギリジョー、中谷美紀、染谷将太、堀部圭亮
配給:東宝
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