2013年9月24日火曜日
そして、父になる
福山雅治を主演に向かえた是枝監督待望の新作
6年間育てた息子は他人の子だった。その時あなたならどうする。自分の身に降り掛かったらとてつもなく考えさせられる問題。そのお題を観客になげかける。つい自分に置き換えてしまい映画を観ながら「自分だったら」を考えさせられる。
相変わらず是枝監督は良い作品をつくる。是枝ファンとしてはカンヌでの受賞も納得の1本。
もともとこの映画の話は福山雅治側から持ちかけられたとか。是枝監督と仕事をしてみたいという持ちかけがあり、いくつか企画案を考えた中のひとつが本作の「取り違え」のテーマだったとか。監督自身も撮影で長期間家を空けることが多く、我が子から「また来てね」と言われたことがキッカケだったらしい。なんだかんだ血のつながった親子なんだから、との思いがそのひと言で一気にゆらぐ。親子関係というのは「血」なのか「過ごした時間」なのか。
そのテーマを福山企画に盛り込み、みごとに素晴らしい作品に仕上げた。
キャストがいい。
リリー・フランキーは子供に好かれるおっさんを、真木ようこは肝っ玉かあさん的なその妻を、尾野真千子はエリートで傲慢な福山に従う健気な妻を。福山は福山でしかなかったが、そういう雰囲気のひとをそういう役にキャスティングするのが是枝監督。そこに違和感は特になかった。
そして脇を固める“是枝組”の樹木希林がすごい!抜群の安定感で主役陣を引き立てアクセントをつける。こういう人がいると監督はすごく安心だろう。
<作品概要>
「そして、父になる」
(2013年 日本 120分)
監督:是枝裕和
出演:福山雅治、尾野真千子、真木ようこ、リリー・フランキー、樹木希林、夏八木勲、風吹ジュン、國村隼
配給:GAGA
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