2013年9月13日金曜日

リンカーン Lincoin


ダニエル=デイ・ルイスによるリンカーン大統領。

アメリカ合衆国第16代大統領で最も愛されたと言われるのがエイブラム・リンカーンだ。黒人に対してもオープンに接し、奴隷解放運動を押し進める。その影響で国は南北に割れ激しい戦争に突入していくという未曾有の危機に瀕する。それでも信念を曲げずに彼は突き進む。

その凄まじい信念をもった大統領を熱演したのがダニエル・デイ=ルイス。本作でアカデミー賞主演男優賞を受賞し、史上初の3度のオスカーに輝いた。だけども彼の演技をみればそれもなっとくできるほど。あまり映画には出ない役者だけど
まだ56歳。4度目、5度目のオスカーも十分あり得る。アカデミー賞をとった後なのに彼は一時俳優を引退していた時期がある。その時に何をやっていたかというと、なんと「靴職人」。ローマの工房に弟子入りして朝から晩まで靴を作っていたとか。それは「ギャング・オブ・ニューヨーク」の出演交渉のために監督のマーティン・スコセッシがローマを訪れるときまで続いたそう。オスカー俳優が靴職人に転向するなんて前代未聞だけど、その復帰作でまたアカデミー賞にノミネートされちゃんだから、このひとホントにすごい。


とにかくリンカーンのブレない信念が伝わってきた。
それでもやっぱり政治家。中盤からはとにかく票取り合戦に明け暮れる、あの手この手を使い、「正々堂々」ではない。政治の世界は今も昔も票取り合戦なのだ。
その一環で描かれているのが「ロビー活動」。日本では最近までなじみがなかったが海外ではこのロビー活動(根回し、広報)は盛んだ。ロビイスト(ロビー活動の専門家)たちを雇い、自分たちに有利になるよう議員たちに働きかける。結構そんなことをしてるのだ。

日本でも最近「東京オリンピック」招致が決まり、そのプレゼンテーションが話題になっていたけど、プレゼンまでの間はロビー活動が行われていた。その期間なんと2年間。この間に各国のIOC(国際オリンピック)委員に働きかけていたそう。これまで日本はロビー活動が下手と言われてきた。(アメリカのようにリンカーンの時代からロビー活動してる人たちにはそりゃかなわない)だけどここにきて日本は素晴らしいプレゼンテーションとロビー活動によりみごとマドリードとイスタンブールに競り勝つことができた。
まさか「リンカーン」に影響うけてる??


<作品概要>
リンカーン」 Lincoin
(2012年 アメリカ 150分)
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:ダニエル=デイ・ルイス、トミー・リー・ジョーンズ、サリー・フィールド、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、デビッド・ストラザーン
配給:20世紀フォックス映画

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