2013年9月12日木曜日
スーサイド・ショップ Le magasin des suicides
とってもダークでファンタジー、気味悪くて陽気なフランス産アニメーション。
パトリス・ルコントによる最新作はなんとアニメーション! 「髪結いの亭主」や「仕立て屋の恋」、「タンゴ」などで知られ、コメディを得意とするルコントがアニメであれば表現できると映画化を決意したジャン・トゥーレの小説「ようこそ自殺用品店へ」。陰鬱で暗い大都会で、これまた根暗なファミリーが経営する自殺用品店。そこにある日とっても明るい男の子が生まれる。彼が成長するにつけ彼のポジティブな雰囲気と行動が周囲を巻き込み、家族に変化が生まれていく。
超ネガティブな人々や陰鬱とする世界を舞台にシュールでシニカルだけど生きることの素晴らしさを謡う人生讃歌。
設定はとても暗いのにミュージカルのように歌い出したりするので動きはとてもポップ。だけど歌っている歌詞はすごくネガティブ(笑)ブラックジョーク満載。
自殺用品店というとてもネガティブなお店なのに店構えはカラフルでオーナーの両親の服装はとてもおしゃれ。こういうギャップがただ暗いだけじゃない独特の雰囲気を醸し出している。(音楽がけっこう良かったりする)
お店で売っている道具には、首つり用の縄やギロチン、毒薬などと一緒にハラキリセット(日本刀と着物のセット!)があったりする(笑) そして、お父さんが日本刀を振り回したりするんだけど、このお父さんの名前がなんと“ミシマ”。完全に日本を意識してます。
この日本のアニメーションにはないダークでちょっとおかしい感じはなんと言うのだろう。「ベルヴィル・ランデブー」が近いかもしれない。ん〜、久しぶりに観たいかも。
ちなみにルコント自身はティム・バートンを意識しているとか。それも分かる。
★ルコントが好きなアニメ作品
「ナイトメア・ビフォア・クリスマス」
「ウォレスとグルミット」
「モンスターズ・インク」
「戦場でワルツを」
ん〜、わりとフツー・・
漫画制作をしていたこともあったそうなので、マニアックかと思いきやそうでもない(笑)。日本の作家も入れてほしかったな。
<作品概要>
「スーサイド・ショップ」 Le magasin des suicides
(2012年 フランス=ベルギー=カナダ 79分)
監督:パトリス・ルコント
出演:(声)ベルナール・アラヌ、イザベル・スパッド、ケイシー・モッテ・クライン、イザベル・ジアニ、ロラン・ジャンドロン
配給:コムストック・グループ
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