2013年9月10日火曜日
風立ちぬ
宮崎アニメはやっぱりすごい!
公開されるたびに賛否両論がわき起こる。「トトロ」のようなファンタジーを求めるジブリファンにとっては期待はずれな展開なのだろう。だけどやっぱり宮崎アニメはすごかった。
ゼロ戦を設計した堀越二郎の人生を、関東大震災や経済不況、そして戦争へと向かう過酷な時代を背景に描く。
ファンタジーでなくても十分楽しめる。あの躍動感ある画のタッチはやはりここでないと見られない。冒頭の関東大震災のシーン。マグマの亀裂がはしり、地表が波打つように揺れ地震が迫り来る!あんな風に表現するなんてやっぱりすごい。観ていて大興奮。
テレビのドキュメンタリーで宮崎駿の仕事ぶりを見たことがあるけど、そのこだわりは尋常ではない。アニメーターが描く画にダメだしをしているんだけど、メインの絵柄ではなく背景にわずかに描かれている線だけの鳥に対して、「その鳥は飛ばない!」と猛烈に怒っていた。わずかな背景にすら魂を込めろと、ものすごい勢いで怒鳴っていたのである。
やはりこういう尋常でない監督からあの躍動感は生まれるのだ。
ネガティブな意見もある。庵野監督の声優が素人すぎて映画に入っていけない、効果音が気になる、ファンタジーでない、あとまさかの禁煙団体からのクレーム(笑)
いろいろ意見はあるとは思うけどひとつのアニメ作品として素晴らしかった。
ジブリはどうしても過去作品の影響が強すぎて、「ナウシカ」や「ラピュタ」、「魔女宅」などの“強烈な好き”を背負わされる。過去の感動体験と同じものを求められるからひとつの独立したアニメ作品としてとらえてもらえない。期待値が高い分、期待と違うと賛否がとても起こるのだ。だけど意見がこれだけ多いのはみんな「観た」ということなのだ。それだけ観られているのだから十分すごい! 今年初の興収100億円。
なんやかんやすごいんです。
そしてテーマ曲が最高。
荒井由美(松任谷由美)の「ひこうき雲」。
この映画のために作られたのかと思うくらい。
でも実際は1973年(40年も前!)のユーミンのファーストアルバムに収録されていた曲。この時ユーミンはまだ10代!こちらも天才です(笑)
宮崎駿監督、引退宣言がありましたが、一から十まで自分でやらなくても長編は作れるはず。短編は制作するそうだけれども、映画は作り続けてもらいたい。
<作品概要>
「風立ちぬ」
(2013年 日本 126分)
監督:宮崎駿
プロデューサー:鈴木敏夫
音楽:久石譲
出演:(声)庵野秀明、滝本美織、西島秀俊、西村雅彦、スティーブン・アルパート、風間杜夫、竹下景子、志田未来、國村隼、大竹しのぶ、野村萬斎
配給:東宝
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